最近の自分のチェスについて
半年以上ぶりのブログです。ドラゴンとかについても書きます。どうもみなさん、いかがお過ごしでしょうか?チェスライフを満喫されていますでしょうか?
やきいもです。
ブログ機能が追加された後、かなりたくさん更新があって賑わっていたlichessブログですが、最近は私の日本人の知り合いで書いている人は見なくなってしまいました。かく言う私もネタがなかったり、書く時間やモチベが湧かなかったりして書いていませんでしたが...汗
そんな少し忘れ去られてしまった感のあるlichessブログですが、久しぶりに新作を書いていきたいと思います。お暇がありましたら、ゆるゆるとお付き合いいただければ幸いです。
突然ですがまず初めに現在私が指している定跡についてお話します。
前回のブログで"Four Knights Game Spanish Variation"には触れたと思います。
相変わらず指しています笑
割と時間が経ったので改めてこの定跡の使用感について話してみようかと思います。
スバリ......
......!!!
なかなか難しいですねぇ...苦笑
これだけだと「えー」って感じですよね。
とは言え、2022/01/01以降の私のRated Blitzを解析してみると、勝ち越してはいます。なんならパフォーマンスも実レートより高いので、決して勝率的な面での使用感は悪く無いのです。
...悪く無いのですが、なんというか初めから分かっていたことではありますが、自分から勝ちに行く定跡ではないんですよねぇ。
そんなわけなので、正直研究勝負が云々とかそういうのはあまり最近目立たず、どちらかというとエンドゲームまでちゃんと指さなければならないという割とプレイヤーの根本的なスキル重視な印象です。
このこと自体は私のプレイスタイルには合っているので問題はないのですが、そうであるが故に勝負所で勝ち星にとても期待できるというようなエース級の定跡ではなくなってしまいました。
特にDouble Spanishなんかは随分と静かなゲームになるので、終局までしっかり指さなければならず、一局一局の重みが増しがちです。
...と、そんな愚痴ばかり語っていますが、今回の本題は別の定跡の話なのです!
まぁこれも多分に愚痴が含まれてしまうのですが...苦笑
Sicilian Defence Dragon Variation
遂に、漸く、やっとのことで、この定跡についてブログで書く日が来ました!
...え、まだブログ3本目だし待ってないって?
いいんです細かいことは。
というわけで、今回のメインテーマ『ドラゴンについて語る』をやっていきましょう!
ドラゴンの第一歩ですねぇ。
いいですねぇ。
このフィアンケットがたまらない。
これは完全に余談なのですが、一時期(およそlichess blitz rating 2000台の頃)私のドラゴンの勝率は7割を超えていたことがあります。
つまり、ドラゴンを指せばほぼ私は勝っていたのです!
思い出補正も含めるなら多分10局指せば9.5局は勝っていた。それくらい勢いに乗っていた時期もありました。
そんな時代の私が今現在ではblitz rating 2100 over。随分とドラゴンにはお世話になりました。
ところで、今年に入ってからの私のblitzの対局を見てみますと、5...g6時点で白番勝率7割となっています。
私が白番のお話ではありません。
これは由々しき事態です。
かつてのドラゴン無双が2100台にして通用していないのです。
もちろん当時と今では対局相手の層や私自身の他の定跡の勝率も随分と異なりますが、それにしたって散々です。
最近ドラゴン君は誰に虐められているのでしょうか?
ちょっと見に行ってきたいと思います。
6.Bc4のあと白がショートキャスリングをするという、定跡の分類的によくわからんやつです。
割とオーソドックスなYugoslav Attack Modernですが、白が11.e5と指した変化です。
個人的にこの対局はただ私が間違えただけな気もします。
この変化は後でお話ししますが、私が新しくやりはじめた変化の一つです。これはその変化の中で、黒がお手本のような負け方をしている対局です。
とりあえず3局ほど貼ってみました。
うーん。なんでしょうね。
上2つは私の研究外の変化だったり、最後の1局は新規の変化だったりと、そもそも練度が低い形に最近はよく当たっているだけなのかもしれません。
ところで先ほど後回しにした新しい変化についてですが、去年の暮れ辺りにこの変化に苦労していたのでそのことについて書いていこうかなと思います。
11...Nxd4変化
Sicilian Defence Dragon Variation Yugoslav Attack Old Lineという割と有名な形なのですが、通常黒はここで11...Ne5と指すのがメジャーです。
しかしこの変化、stockfishで解析しても、自分で指していても、なかなか黒が受け身で指しにくかったんですよね。
そこで私はstockfishが以前から最善と示していた11...Nxd4変化を試してみることにしました。
あくまで一例ですが、この変化の快勝譜はこんな感じになります。
ある種ドラゴンという定跡のやりたいことを実現できるいい変化に思えるのですが、実はこの変化を指すにあたってはだいぶ苦労しました。
何がそんなに問題だったかというと...
この変化、実はちゃんと解析してみると結構黒にとって人間的でない指し手を必要とされる部分が多かったのです。
文章で少し書いていきたいと思います。
黒の狙いはかなり単純で、白のクイーンサイドを頭上から叩き割るというものです。対して白の狙いも同様に黒のキングサイドをフィアンケットの頭から攻撃するのが狙いです。
これだけなら典型的なYugoslav Attackの雰囲気なのですが、黒の攻めは...a5, ...b5と突いていくポーンによる攻撃となります。
一変化としてこういう手順があります。
この時12...b5と突くと黒のa7ポーンが浮き駒になっています。
実はこの変化において13.Bxa7は黒にとって問題のない手なのです。しかし、これ以降の変化の研究中に2R vs Qの評価値上の黒勝勢だが実戦的に難しい変化など、いくつかの難関があり、その他の変化でも課題がありました。
またこの当時私はいくつかのエンジンを用いて解析することにハマっており、stockfish14, KomodoDragon12, SlowChessBlitz, RubiChess, LCZ等々を用いて、課題局面からエンジン同士で対局をさせたりなどをしていました。
その際、いくつかの変化において、黒がエンジンでなければできなさそうなタクティクスで互角を保たなければいけない場面が生じてしまい、一時期この変化の採用に悩んでいました。
研究上ですら自分で指せるか怪しいような手が存在する変化を採用して果たして自分はこの定跡を指し続けられるだろうか?
割と本気でこう思っていたのです。
まぁ結果的には、自分の作っていた別の研究ラインが私に回答を与えてくれたおかげで現在でもドラゴンを採用し続けられているわけですが。
そんな感じでドラゴンのメインラインの一つは私の中で紆余曲折ありつつアップデートされていたわけです。
この研究は私がblitz 2100到達を目標に指している間は無事に通用してくれました。
ところで最近のドラゴンは勝率が悪いわけですが、シシリアン全体の勝率は負け越しているわけではありません。
Sicilian Defence Side Line
私はドラゴン以外の変化を勝手にこう呼んでします笑
実は先ほどの研究をやっている頃、私は別の問題も抱えていました。
それはシシリアンプレイヤーなら誰でも経験があると思われるものです。
Alapin, Delayed Alapin, Smith-Morra Gambit, Grand Prix Attack, Closed Sicilian, Wing Gambit, ......
挙げればキリがありませんが、シシリアンは白からのメインライン外しが多数存在します。
当時の私がドラゴンで圧倒的な勝率を挙げていた一方で、これらのサイドラインには随分と苦しめられました。
まずなにより自分の好きな形ではないので指していて楽しくないというのが大きいのです。
せっかくドラゴンの研究を用意してもドラゴンにならなければ意味がないわけで...。
実際、私の11...Nxd4は研究完了から実戦で遭遇するまでしばらくのラグがありました。
このころの私はこれらのサイドラインでかなり負け越しており、ある意味その分をドラゴンで持ち直していたのかもしれません。
それが原因のすべてではありませんが、現在の私の勝率はこれらのサイドラインに対してかなり高くなってきています。
これが自然の摂理、とは思いたくありませんが、全ての定跡で勝っていたら全体勝率100%になってしまうのでこれが自然なのかもしれません。
結果的に現在の私はドラゴンの負け越し分をサイドラインの勝ち越し分で五分にしている状態になっています。
なんだか今回はだらだらとした感じの自分語りで終わってしまいましたね...。
久しぶりにブログを書いたのであまりストーリーが思いついていませんでした。すみません。
相変わらず書こうと思って即書き始めているので、着地点がふわふわしておりますが、今回はこのあたりで終わりたいと思います。
最後に一つだけ。
『ドラゴンはいいぞ』
ありがとうございました。
written by やきいも